【図解】血糖値を下げるためにおすすめの食べ物&飲み物一覧
「健康診断で高血糖を指摘された」
「食後の血糖値上昇を抑えたい」
健康やダイエットのために血糖値のケアは欠かせませんが、どのようなことに注意すればいいのかわからない方は多いのではないでしょうか。
血糖値は運動や投薬治療でも改善できますが、最も重要なのは普段の食事です。
今回は血糖値を下げるための食べ物をテーマに、おすすめの食材やレシピ、食べ方までを詳しく解説します。
この記事の監修者
藤堂 紗織
Alohaさおり自由が丘クリニック開業医
日本医科大学医学部卒業。日本医科大学武蔵小杉病院で研修後、腎臓内科学教室に入局。その後、善仁会丸子クリニックにて10年院長勤務。現在は、Alohaさおり自由が丘クリニックを開業。内科、皮膚科、美容皮膚科を標榜している。
本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨しているわけではございません。
血糖値とは
まずは、そもそも血糖値とは何なのかをおさらいしましょう。
血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度のことです。血糖値は1日中変動しており、食事をすると上がり、インスリンが分泌されることで下がります。
健康的な方は血糖値が一定の幅で変化するのに対して、高血糖や糖尿病の方はその振れ幅が大きいのが特徴です。
正常値はいくらか
血糖値は空腹時100mg/dL、食後140mg/dL未満が正常値といわれています。空腹時126mg/dL、食後200mg/dL以上ある場合は糖尿病の診断基準に該当します。
血糖値の正常値については「【図解】血糖値の正常値(通常値)・基準範囲・平均値を説明します【医師監修】」で詳しく解説しています。
血糖値を下げる食べ物は存在しない
今回は血糖値を下げるための食べ物について解説していきますが、まず大前提として知っておいてほしいのが食事をすれば必ず血糖値は上がるということです。
※参考:糖尿病ネットワーク「食後高血糖とは?」
当然ですが、食べてすぐに血糖値が下がる食べ物は存在しません。血糖値を適正にするために大切なのは、血糖値を急上昇させないことであり、高い状態を保たないことです。今回はそのために有効な食べ物を紹介するのであり、食べれば食べるほど血糖値を下げるわけではないということは理解しておいてください。
食後に血糖値が上昇する仕組みについては「【図解】食後血糖値のピークはいつ?食後1時間、2時間、3時間後の数値を正常値に下げるには?」で詳しく解説しています。
注意すべきは血糖値スパイク
先述したように食後は誰でも血糖値が高くなるものですが、その上がり方、下がり方が急激なことを「血糖値スパイク」といいます。
血糖値スパイクになると、眠気やダルさを感じたり、意識が朦朧(もうろう)として気絶してしまったり、最悪の場合は心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気を招く可能性もあります。
健康診断では食後の血糖値を計測することはないために血糖値スパイクを見つけることはできません。知らず知らずのうちに症状が進行している可能性もあるので、血糖値スパイクが疑われる方は早急に改善しましょう。
血糖値スパイクの自己診断チェックリストや改善方法は「【医師監修】血糖値スパイクの症状は眠気?自己診断、原因、血糖値を抑える飲み物・食事・運動とは」で解説しています。
血糖値を下げるためにおすすめの食べ物&飲み物一覧
それでは、血糖値を下げるためにおすすめの食べ物と飲み物について解説します。血糖値を下げるために有効な食べ物や飲み物は挙げればキリがないほど多いので、今回は以下の3つの観点で総合的に評価して厳選しました。
・血糖の吸収が緩やかである
・血糖値を下げることを補助する作用がある栄養素を含んでいる
・一般的なスーパーやコンビニで購入できる
厳選したおすすめの食べ物&飲み物は以下の通りです。
それぞれについて解説しましょう。
【炭水化物】そば、玄米、全粒粉パン
血糖値を上げないためには糖質の摂取を控えるのが基本。炭水化物は糖質と食物繊維で構成されているので、食物繊維の割合が高いもの=食後の血糖値上昇を示す指標「GI」が低いものを選ぶのが鉄則です。
おすすめの炭水化物は以下の通りです。
食材 |
おすすめする理由 |
そば |
食物繊維が豊富かつ血糖値の上昇を抑える効果があるポリフェノールの一種「ルチン」が豊富に含まれている |
玄米 |
白米よりもGI値が低く、食べ応えがあるため満足感が高い |
全粒粉パン |
通常のパンよりもGI値が低く、食べ応えがあるため満足感が高い |
とくに、そばに関してはつなぎである小麦粉を使用しない十割そばがおすすめです。
GI値については「ダイエットで気を付けたいのは「GI値」よりも「GL値」だった!」で詳しく解説しています。
【野菜】玉ねぎ、トマト、オクラなど
野菜は総じてブドウ糖の含有量が少なく、食物繊維が豊富なので血糖値を下げたい方には欠かせません。
野菜の中でも、とくにおすすめの食材は以下の通りです。
食材 |
おすすめする理由 |
玉ねぎ |
血液をサラサラにし、血糖値を下げる働きがある「ケルセチン」、 インスリンの糖代謝作用を助ける「ミネラル」が豊富に含まれている |
トマト |
血糖値を抑える働きがある「リコピン」が豊富に含まれている |
ゴーヤ |
インスリンの分泌を促し、血糖値の上昇を抑える「ポリペプチド-P」が含まれている |
オクラ |
糖質の吸収を緩やかにする働きがある「ペクチン」が豊富に含まれている |
ごぼう |
食物繊維が多く、糖質の吸収を穏やかにする効果が期待されるポリフェノールの一種「クロロゲン酸」が豊富に含まれている |
白ネギ |
インスリンの分泌を促進し、血糖値を安定化させる効果がある「硫化アリル」が含まれている |
なお、野菜のビタミンやミネラルは水に流れ出てしまうので、できるだけ水にさらさないようにしましょう。
【果物】ブルーベリーやアボカドなど
果物も野菜と同じく食物繊維が豊富ですが、糖質が多いものがあるので食べ過ぎには注意しましょう。
おすすめの果物は以下の通りです。
食材 |
おすすめする理由 |
ブルーベリー |
インスリンの感受性を高める効果がある「アントシアニン」が含まれている。インスリンの感受性を高めることで血糖値をコントロールし、糖尿病のリスク軽減を見込める |
アボカド |
炭水化物の含有量が果物の中で最も少なく、血糖値の上昇を穏やかにする働きがある「不飽和脂肪酸」を多く含んでいる |
グレープフルーツ |
GI値が25と果物の中でも低い |
バナナ |
食物繊維が豊富であり、血糖値の急上昇を抑える働きがある「カリウム」が含まれている |
バナナは手軽に食べられる果物ですが、糖質がある程度含まれていてカロリーもあるので、1日1本を目安にしましょう。
【きのこ】まいたけ、ブナシメジ
きのこは総じて低カロリーで食物繊維が豊富なので、日常の食事においても意識的に摂取するようにしましょう。
きのこの中でも、とくにおすすめの食材は以下の通りです。
食材 |
おすすめする理由 |
まいたけ |
インスリンの材料となる「亜鉛」や血糖値の上昇を抑える「マグネシウム」が豊富に含まれている |
ブナシメジ |
糖質の代謝を促進する「ビタミンB1」「ビタミンB2」が豊富に含まれている |
【海藻】ひじき、昆布
海藻も総じて低カロリーで食物繊維が豊富な食材です。
海藻の中でも、とくにおすすめの食材は以下の通りです。
食材 |
おすすめする理由 |
ひじき |
海藻の中で最も食物繊維が豊富であり、血糖値の急上昇を抑える働きがある「カリウム」も豊富に含まれている |
昆布 |
ひじきと同じくらい「カリウム」が豊富に含まれている |
なお、海藻に多く含まれるヨウ素は、摂取過剰すると甲状腺機能が低下を招きます。甲状腺機能が低下している場合は摂りすぎないように注意しましょう。
【豆類】おから、豆腐
豆類は食物繊維が豊富であり、大豆に含まれる「大豆イソフラボン」は糖尿病の予防効果があることでも知られています。
豆類の中でも、とくにおすすめの食材は以下の通りです。
食材 |
おすすめする理由 |
おから |
大豆製品の中でもとくに食物繊維が豊富に含まれている |
豆腐 |
食物繊維は少なめだが、「大豆イソフラボン」が豊富に含まれている |
なお、豆類やきのこ、海藻をはじめとした食物繊維が豊富な食べ物については「食物繊維が多い食べ物ランキング!手軽&効率的に摂取する方法とは」で詳しく解説しています。
【魚】サンマ、いわし
青魚に多く含まれるDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸は、血液をサラサラにして動脈硬化を防ぐ効果があります。
おすすめの魚は以下の通りです。
食材 |
おすすめする理由 |
サンマ |
青魚の中でもDHA・EPAの含有量が多い |
サバ |
サンマに比べると多少劣るものの、DHA・EPAの含有量が多い |
DHAとEPAが豊富な魚については「DHA・EPAを効率的に摂取できる食べ物&レシピ〜魚以外で摂る方法も紹介〜」で詳しく解説しています。
【調味料】しょうゆ、お酢
血糖値が気になる方は、調味料にも気を配ることが大事です。
おすすめの調味料は以下の通りです。
調味料 |
おすすめする理由 |
しょうゆ |
血糖値の急激な変動を抑制する作用がある「メラノイジン」が含まれている |
お酢 |
調味料の中でも糖質量が少なく、主成分の「酢酸」は、脂肪の合成を抑えて分解を促す働きがある |
調味料の糖質量については「糖質制限中は控えたい調味料と上手な代用方法【食べ物シリーズvol.1】」で詳しく解説しています。
【おやつ】ヨーグルト、チョコレート
血糖値の上昇を抑えるうえではこまめに間食をとることは有効です。しかし、何を食べてもいいというわけではありません。
おすすめのおやつは以下の通りです。
おやつ |
おすすめする理由 |
ヨーグルト |
血糖値を低下させる効果がある「乳酸」が豊富に含まれている |
チョコレート |
糖質の吸収を抑える「カカオポリフェノール」が豊富に含まれている |
ただし、チョコレートでも糖分が多いものはおすすめできません。カカオが70%以上含まれた「高カカオチョコレート」を選ぶようにしましょう。
【飲み物】緑茶、牛乳、コーヒー
血糖値を下げるためには、普段の飲み物にも気を配るようにしましょう。
おすすめの飲み物は以下の通りです。
飲み物 |
おすすめする理由 |
緑茶 |
糖の吸収を抑える働きがある「カテキン」が豊富に含まれている |
牛乳 |
インスリンの働きをサポートする効果がある「ホエイプロテイン」が含まれている |
コーヒー |
血糖値の急上昇を抑える効果がある「カフェイン」が豊富に含まれている |
コーヒーは砂糖を入れてしまうと台無しなので、無糖のブラックで飲むようにしましょう。
血糖値が気になる方におすすめのアイデアレシピ2選
ここでは、血糖値を下げるためのおすすめ食材を使ったアイデアレシピを2つ紹介します。
アボカドのスクラップエッグ
◎材料(1人分) ・卵・・・2個 ・アボカド・・・2分の1個 ・オリーブオイル・・・小さじ1杯 ・バター・・・10g ・牛乳・・・30cc ・レタス・・・2~3枚 ・塩・・・適量 ・コショウ・・・適量 |
◎作り方 ➀ アボカドを一口大にカット ➁ ボウルに卵、牛乳、塩、コショウを入れて、混ぜ合わせる ➂ フライパンにバター、カットしたアボカドを入れて炒める ④ アボカドに軽く焼き色が付いたら、➁を加える ⑤ 卵が半熟になったら、火を止めて器に盛る ⑥ 付け合わせのレタスを盛り付けたら完成 |
アボカドは糖質量が少なく、不飽和脂肪酸が豊富な食材です。アボカド単体でも十分美味しいですが、卵との相性も抜群なのでぜひお試しください。
きな粉のから揚げ
◎材料(1人分) ・鶏もも肉(皮なし)・・・1枚(200g) ・きな粉・・・30g ・塩・・・少々 ・コショウ・・・少々 ・醬油・・・小さじ2杯 ・みりん・・・小さじ2杯 ・おろしショウガ・・・小さじ1杯 ・揚げ油・・・適量 ・レモン・・・適量 |
◎作り方 ➀ 鶏もも肉を一口大にカット ➁ ジップ付き保存袋にカットした鶏もも肉、塩、コショウ、醬油、みりん、おろしショウガを入れて揉み込み、冷蔵庫で20分ほど置く ➂ ②にきな粉をまぶす ④ 鍋に揚げ油を入れて180度に熱して、③を入れる ⑤ 中まで火が通るまで5分ほど揚げる ⑥ お皿に盛り付け、必要であればレモンをカットして添えて完成 |
通常の揚げ物で使う小麦粉、片栗粉の代わりにきな粉を使ったアイデアレシピ。揚げ物に使う油は、オレイン酸が多く含まれるオリーブ油、キャノーラ油、ヒマワリ油がおすすめです。
血糖値の上昇を抑えるための食べ方
血糖値の上昇は食べ方を工夫するだけでも抑えることができます。ここでは、おすすめの食べ方について解説します。
ゆっくり食べる
食べる速度を落とすことで、過食を防ぎ、血糖値の急上昇も避けられます。ゆっくり食べるというよりはよく嚙んで食べることを意識しましょう。
野菜を先に食べる
「ベジファースト」とも呼ばれますが、最初に野菜を食べることで、食後の血糖値の上昇は穏やかになります。また、最初に野菜をたくさん食べることで、その後のご飯やおかずの摂取量が減り、全体の摂取カロリーを減らすことにもつながるでしょう。
3食食べる
空腹時間が長いほど血糖値は上がりやすくなるため、次の食事で血糖値を急激に上げないためには食事の回数が多い方が好ましいとされています。
1日の食事は3食を基本に、場合によっては間食を取り入れるのもおすすめです。ただし、1日で摂取するカロリーはオーバーし過ぎないように心がけましょう。
血糖値を上げないための食事方法は「【医師監修】今日からできる血糖値を急上昇させない食事のコツ|糖質制限vs低GI」で詳しく解説しています。
血糖値コントロールにはサプリメントがおすすめ
血糖値を下げるためには毎日の食事に気をつかう必要があります。しかし、毎食意識するのは面倒くさい、たまには好きなものを食べたいという方は多いのではないでしょうか。
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