爪の色が悪くなる原因と対処法【爪色診断チェックシート付】
「最近、爪の色が悪い気がする」
「黄ばんで見える」「黒ずんで見える」
爪は 血流や栄養状態、内臓機能など体の変化をいち早く映し出す“鏡”です。色ツヤの乱れは単なる乾燥やマニキュアの色素沈着だけでなく、重篤な疾患のサインであることもあります。
今回は、爪の色が悪くなる原因をはじめ、爪色診断チェックシートや爪の色を整えるためのセルフケアについて解説します。
この記事の監修者
安藤 かおり
あんどう歯科・美容皮フ科 皮膚科専門医
名古屋大学医学部医学科を卒業後、名古屋掖済会病院で初期研修を修了。大学附属病院や総合病院での勤務を経て、2023年4月に「あんどう歯科・美容皮フ科」を開院し、美容皮膚科を担当。ヒアルロン酸やボトックス注射などの注入治療では、個々の骨格や希望に合わせたオーダーメイド施術と丁寧なカウンセリングが評判となっている。
本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨しているわけではございません。
爪の色が悪くなるメカニズムと主な原因
まずは、爪の色が悪くなるメカニズムと原因についてみていきましょう。
爪の色が悪くなるメカニズム
爪は皮膚が角質化してできた「ケラチンの板」です。通常は半透明〜ほのかなピンク色ですが、以下の要素が変化すると色が変化してしまいます。
- 血流:ヘモグロビン量や酸素飽和度の変化により、赤味が強くなるor青白く変化する
- 老廃物:肝機能低下などで老廃物が増加すると黄褐色や緑色に変化する
- ケラチン構造:厚みが増すと光の透過が低下し、乳白色や淡い黄色に変化する
- 水分量:乾燥で白く曇る
- 色素沈着:マニキュアの顔料やメラニンが沈着すると黄色や茶色、黒色に変化する
つまり、爪の色が変化したということは、上記のいずれか、または複数の要素が影響しているサインといえます。
そして、注意したいのが爪の変色は一時的なものと病気が疑われるものがあるということです。それぞれの特徴について紹介します。
一時的な変色のケース
冷えや血行不良による青白さ
外気温が低い場合や長時間同じ姿勢を続けると、末梢血管が収縮して酸素の少ない静脈血が目立ち、爪が青白く見えます。手を温めたり、指を握って開いたりすると数分で元に戻るのが特徴です。
マニキュアやジェルの色素沈着
濃い色のポリッシュや顔料を含むジェルを長期間付けっぱなしにすると、爪の表面に色素が残り、黄色〜橙色に変化します。
乾燥によるくすみ・ツヤ低下
水分が抜けた爪は微細な凹凸が増え、光が乱反射してグレーがかった白濁に見えます。秋冬やアルコール消毒の頻度が高い人に多いのが特徴です。
病気が疑われるケース
栄養不足(亜鉛欠乏など)による白斑
爪の表面に白い点や線がある場合は、爪の形成に必要な栄養素が足りていない可能性があります。繰り返す場合は、亜鉛・鉄・ビタミンB群を意識した食事を心掛けましょう。
爪白癬(爪水虫)など真菌感染による黄変
爪が分厚くボロボロになり、内側から黄~茶色く濁るのは真菌感染の典型です。市販の外用薬は皮膚の水虫用が多く、爪内部までは届かないため、根本的な治療は医療機関での受診が必要となります。
肝機能低下・糖尿病による黄褐色〜緑色
老廃物の蓄積やブドウ糖代謝の異常があると、爪甲が黄~緑褐色に変色することがあります。また、その際には疲労感や浮腫、多飲多尿などの全身症状を伴うことが多いのが特徴です。
皮膚がん(メラノーマ)の可能性がある黒色線条・斑点
1本の爪に幅3 mm 以上の黒い縦線がある、ラインの幅が途中で太くなる、爪周囲の皮膚まで黒く染まるなどの現象が見られる場合は皮膚がんの可能性があります。速やかに専門医の診察を受けるようにしましょう。
【セルフチェックシート】30秒でわかる爪色診断
爪の色が悪くなっていたとしても、それが一時的なものか病気のサインなのかを見極めるのは難しいものです。
そこで、ご自身の爪の変色がどの程度リスクを伴っているかを簡単に診断できるチェックシートをご用意しました。ぜひチェックしてみてください。
チェックシートはあくまでも目安であり、該当する項目によってリスクは異なります。気になる症状がある場合は、迷わず専門医へご相談ください。
【色別】症状・原因・対処法一覧表
爪の色別に考えられる原因と対処法、受診目安をまとめた一覧表を用意しましたので、こちらもぜひ参考にしてください。
色 |
主な原因 |
対処法 |
受診目安 |
白/白斑 |
・小外傷 ・乾燥 ・亜鉛不足 ・腎疾患 |
・ネイルオイルで保湿 ・ 亜鉛 10 mg/日を目安に牡蠣・レバーなどで補給 |
白斑が全指に急増したら内科へ |
黄/黄褐 |
・爪白癬 ・ネイル染色 ・喫煙 ・肝機能障害(黄疸) |
・ポリッシュやジェルをオフして経過観察 |
厚み、崩れ、ニオイを伴う場合は皮膚科へ |
青紫/黒 |
・末梢血流低下 ・血豆 ・メラノーマ |
・軽度打撲なら冷却+圧迫 |
3 mm 以上の縦線や色ムラが2週間以上続く場合は皮膚科へ |
爪の色を整えるセルフケア5選
ここでは、健康で美しい爪色を保つためのセルフケアを紹介します。
亜鉛・ビタミンB群・鉄分を意識した栄養補給
食生活と爪の色は密接に関係しています。爪はケラチンというタンパク質でできており、その合成にはミネラルとビタミンが欠かせません。とくに重要な栄養素として挙げられるのが亜鉛、ビタミンB群、鉄分です。
|
主な働き |
豊富な食品 |
亜鉛 |
ケラチン産生酵素の働きを助ける |
牡蠣、牛赤身肉、納豆など |
ビタミンB群 |
タンパク質の代謝を促して爪の成長を助ける |
レバー、しいたけ、アーモンドなど |
鉄分 |
赤血球を介して爪床へ酸素を運ぶ |
レバー、小松菜、ひじきなど |
なお、亜鉛はビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が高まり、鉄分も動物性のヘム鉄とビタミンCを同時に摂ることで体内への取り込みが約2倍に向上します。
爪の成長に必要な栄養素については「爪が割れるのは栄養不足が原因!?必要な栄養素とおすすめレシピを紹介」で詳しく解説しています。
ビタミンCが豊富な食品については「ビタミンCが多い食べ物・飲み物ランキング20選~効率的な取り方~」で詳しく解説しています。
指先マッサージ&温冷刺激した血行促進
先述したように、血流は爪の色に影響を及ぼす要素の一つです。爪に十分な血液が行き渡っていないと、爪がくすんで青白く見えやすくなります。
血行を改善するにおすすめなのが、指先のマッサージと温冷刺激です。特に体が温まっている入浴中に行うと効果的です。
手順は以下の通りです。
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ネイルオイルとハンドクリームの二段保湿
水分量も爪の色に影響を及ぼす要素ですが、ただ水分を補うだけでは不十分です。まず油分で表面をコーティングしてフタをし、その後で水分を浸透させるという二段保湿がおすすめです。
手順は以下の通りです。
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これを朝と就寝前の1日2回行いましょう。ハンドクリームはシアバター・グリセリン配合タイプがおすすめです。
保湿の方法をはじめ、爪の正しいケア方法は「【医師監修】正しい爪のケア方法〜健康的で美しい爪の条件とは?〜」で詳しく解説しています。
酸素透過性や低刺激成分に注目したネイル製品選び
健康的な爪色を保つためには、爪に負担を掛けない製品を選ぶことが大事です。
重要視したいポイントとしては、以下の3つが挙げられます。
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サイズ・通気性を意識した靴選び
爪の変色は手先よりも足先で起こりやすく、特にサイズが合わない靴や通気性の悪い靴が原因で黄色に変色したり、肥厚したりするケースはとても多いです。
靴のベストサイズはつま先に5 mmのゆとりがあって、幅は小指が圧迫されない程度です。大き過ぎも前滑りで衝撃が増えて内出血の原因となるので注意しましょう。また、素材は天然皮革・メッシュなど通気性が高いものを選び、インソールは抗菌仕様のものを選ぶと適度な湿度が保ちやすくなります。
なお、靴は1足を連日履くと乾燥時間が足りず真菌が繁殖するので、最低2足を48時間以上空けて交互に履くのがおすすめです。
爪の変色に関するQ&A
最後に、爪の変色に関してよくある質問にお答えします。
変色した部分はどれくらいで完全に生え替わりますか?
A. 半年〜1年が目安です。
手爪は平均6〜7 ヶ月、足爪は12〜18 ヶ月で完全に入れ替わると言われています。
妊娠中に爪が白っぽくなりましたが問題ありませんか?
A. 妊娠中は鉄欠乏性貧血や亜鉛不足が起こりやすく、白斑やくすみが出ることがあります。
産婦人科の血液検査結果を確認し、必要に応じて鉄剤・亜鉛製剤を処方してもらいましょう。
爪白癬は市販薬で治せますか?
A. 皮膚用外用薬は爪内部まで届きにくく完治率は低いです。
自己判断で放置すると変形・変色が進行し、周囲に感染を広げるリスクがあるので、専門医を受診することをおすすすめします。
爪の根本だけ色が悪くなるのはなぜですか?
A. 新生爪が最初に体内・局所の変化を反映するためです。
爪は「爪母(マトリックス)」という根元の領域で細胞分裂→ケラチン化され、そこから先端へ向かって伸びています。そのため、血行不良や栄養不足、色素沈着などの異変が起こると、まずこの爪母で形成された最新の爪に色調変化が現れやすくなります。根本のみ変色している場合は「最近の体調変化や局所環境のサイン」と考えられます。
爪の色が気になる方へ
爪は日常的なケアはもちろんのこと、爪の変色や変形が気になる場合は補修液を活用したケアが有効です。
ビタブリッド ネイルシールドプレミアム
「ビタブリッド ネイルシールドプレミアム」は、ネイルケア専門ブランドTITANAIL(チタネイル)監修のもとに開発した、傷んだ爪の表面を瞬時に補修するネイルケア補修液です。
ケラチンの生成を補助するヘマチンを高濃度で配合しているほか、爪の内部結合を強化するプレックス成分(ジカルボン酸×コハク酸)を配合することで、弾力のあるしなやかで強い爪に導きます。
爪の乾燥や縦線が気になる方、変色が気になる方、爪が割れしまった(または割れやすい)方はぜひご検討ください。
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