タンパク質が多い食べ物&吸収効率を高める食べ物
タンパク質といえば、健康的な体づくりには欠かせない栄養素。ダイエットや筋トレを実践している方であれば、普段から意識的に摂取していることでしょう。
しかし、何となく肉や魚を食べているだけで、実際にどれくらいのタンパク質を摂ればいいのか、どういった食品を摂ればいいのかがわかっていない方も少なくありません。
そこで今回はタンパク質が豊富に含まれる食べ物をはじめ、タンパク質の吸収を高める食べ物やタンパク質を摂取する際の注意点などを紹介します。タンパク質を意識した食事を心掛けたい方はぜひご覧ください。
この記事の監修者
中島 由美
Crystal 医科歯科 Clinic International 内科院長
金沢医科大学医学部卒。金沢医科大学病院にて小児科・内科専攻。日本各地の病院で内科、皮膚科を担当。美容クリニック院長を経て、2018年8月にCrystal 医科歯科 Clinic International 内に内科、美容皮膚科、アレルギー科を開設。現在内科院長として、テレビやラジオ出演、Webメディアの記事編集を行っている。
本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨しているわけではございません。
タンパク質とは何か
まずは、そもそもタンパク質とは何かということからおさらいしましょう。
タンパク質とは、アミノ酸が多数結合したもの、人の体を構成する重要な成分の一つです。筋肉や内臓、消化器官、皮膚、髪、爪などの材料になるほか、酵素やホルモン、免疫物質としても働きます。
タンパク質が不足すると、筋肉量の減少や肌や髪のトラブルのほか、疲労感の増加や集中力の低下を招きます。
動物性タンパク質と植物性タンパク質
タンパク質は肉や魚、卵などに含まれる「動物性タンパク質」と大豆や小麦などに含まれる「植物性タンパク質」に分けられます。
動物性タンパク質は必須アミノ酸の含有量が多く、消化・吸収率が高いため、筋肉をつくるのに効果的です。一方の植物性タンパク質は脂質量が少なく、脂肪燃焼効果が高いのが特長です。
動物性タンパク質と植物性タンパク質はバランスよく1:1の割合で摂取するのが理想といわれています。
1日に摂取すべきタンパク質
では、タンパク質は1日にどれくらいの量を摂取すればよいのでしょうか。
1日に必要なタンパク質量は、厚生労働省が公開している『日本人の食事摂取基準(2020年版)』に明記されており、推奨量は18~64歳の男性は65g、65歳以上の男性は60g、18歳以上の女性は50gとなっています
厳密には、年齢や体重、運動量によって必要となるタンパク質量は前後しますが、おおよその目安として覚えておきましょう。
タンパク質が多い食べ物
それではここからが本題。タンパク質が多い食べ物を文部科学省が提供する『食品データベース』を参考に、「肉類」「魚介類」「乳製品類」「卵類」「豆類」「穀類」「野菜」に分けて一挙に紹介します。
なお、一般的に食べることが滅多にない食品は除いています。
肉類
肉類は動物性タンパク質が豊富な食材の代表格です。
食品名 |
100gあたりのタンパク質量(g) |
ビーフジャーキー |
54.8 |
豚ヒレ肉(赤身) |
39.3 |
鶏むね肉(皮なし) |
38.8 |
鶏むね肉(皮つき) |
34.7 |
鶏ささみ |
31.7 |
豚もも肉 |
30.2 |
牛もも肉 |
30.0 |
豚スモークレバー |
29.6 |
ラムもも肉 |
28.6 |
牛かた肉 |
27.9 |
※焼き、ゆで、生など調理状況によって数値が変わるものは含有量が多いものを採用
魚介類
魚介類は肉類と並び、動物性タンパク質が豊富です。
食品名 |
100gあたりのタンパク質量(g) |
フカヒレ |
83.9 |
とびうお(煮干し) |
80.0 |
かつお節 |
77.1 |
するめ |
69.2 |
ホタテ貝柱(煮干し) |
65.7 |
かずのこ |
65.2 |
いくら |
32.6 |
さば(ごまさば) |
31.1 |
さけ(しろさけ) |
29.1 |
まぐろ赤身(クロマグロ) |
29.0 |
あじ(まあじ) |
25.9 |
たら(まだら) |
25.2 |
※焼き、ゆで、生など調理状況によって数値が変わるものは含有量が多いものを採用
卵類
卵類は、比較的安価で汎用性が高い高タンパク質食材です。
食品名 |
100gあたりのタンパク質量(g) |
うずら卵 |
12.6 |
全卵 |
12.2 |
乳製品類
乳製品はタンパク質が豊富な食材が多いものの、その種類によって含有量にはバラつきがあります。
食品名 |
100gあたりのタンパク質量(g) |
パルメザンチーズ |
44.0 |
チェダーチーズ |
25.7 |
モッツァレラチーズ |
18.4 |
ヨーグルト(無糖) |
3.6 |
牛乳 |
3.3 |
豆類
豆類は、植物性タンパク質が豊富な食材の代表格です。
食品名 |
100gあたりのタンパク質量(g) |
きな粉 |
36.7 |
油揚げ |
24.9 |
納豆 |
16.5 |
がんもどき |
15.3 |
大豆(水煮缶詰) |
12.9 |
穀類
穀類は決してタンパク質の含有量は多くありませんが、植物性タンパク質を摂取できる貴重な食材です。
食品名 |
100gあたりのタンパク質量(g) |
オートミール |
13.7 |
スパゲッティ(乾燥) |
12.9 |
ナン |
10.3 |
ポップコーン |
10.2 |
玄米 |
10.1 |
そば(生) |
9.8 |
野菜
野菜は比較的タンパク質は少なめですが、その中でもタンパク質が豊富に含まれる食材はいくつかあります。
食品名 |
100gあたりのタンパク質量(g) |
枝豆 |
11.7 |
そら豆 |
10.9 |
ブロッコリー |
5.4 |
タンパク質の吸収を高める食べ物
ここではタンパク質の吸収を高める食べ物を紹介します。効率的にタンパク質を摂取したい方はぜひ参考にしてください。
タンパク質の吸収率を高める栄養素
タンパク質の吸収を高める栄養素として知られるのが以下の3つです。
・ビタミンB2
・ビタミンB6
・ビタミンC
ビタミンB2はタンパク質の分解を、ビタミンB6はタンパク質の分解・合成を助ける働きがあり、タンパク質の吸収をサポートしてくれます。また、ビタミンCはタンパク質の1種であるコラーゲンの生成に必要な栄養素であり、筋肉、骨、毛細血管の形成をサポートしてくれます。
それでは、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCが豊富な食べ物をみていきましょう。
※各栄養素の含有量は『食品成分データベース』を参考にしています。
ビタミンB2が豊富な食べ物
ビタミンB2はレバーなどの肉の肝臓全般、ナッツ系などに多く含まれています。
食品名 |
100g当たりの含有量(mg) |
豚レバー |
3.6 |
牛レバー |
3.0 |
焼きのり |
2.33 |
乾燥しいたけ |
1.74 |
アーモンド |
1.1 |
いなごの佃煮 |
1.0 |
ビタミンB6が豊富な食べ物
ビタミンB6はにんにくのほか、ビタミンB2同様にレバーやナッツ系に多く含まれています。
食品名 |
100g当たりの含有量(mg) |
にんにく |
1.53 |
ピスタチオ |
1.22 |
まぐろ赤身(みなみまぐろ) |
1.08 |
牛レバー |
0.89 |
かつお |
0.76 |
豚ヒレ |
0.54 |
ビタミンB群が豊富な食べ物については「ビタミンBが豊富な食べ物&おすすめレシピを目的別に紹介」で詳しく解説しています。
ビタミンCが豊富な食べ物
ビタミンCはアセロラやパプリカ、ブロッコリーなどに多く含まれています。
食品名 |
100g当たりの含有量(mg) |
生のアセロラ(酸味種) |
1700 |
ケール・青汁 |
1100 |
焼きのり |
210 |
赤ピーマン |
170 |
黄ピーマン |
150 |
ブロッコリー |
140 |
ビタミンCが豊富な食べ物については「ビタミンCが多い食べ物・飲み物ランキング20選~効率的な取り方~」で詳しく解説しています。
タンパク質を摂取する際の注意点
タンパク質を効率的に摂取するためには、いくつかの注意点があります。
一気に多量を摂取しない
タンパク質は一度に吸収できる量が決まっています。そのため、大量に摂取しても吸収されるのはその一部です。一度に摂取できる量は最大でも約40~50gといわれています。
タンパク質の吸収率を高めるためには、一定の食事間隔を空けながら、こまめに摂取しましょう。
過剰に摂取しない
先ほどの話に付随しますが、タンパク質の過剰摂取には注意が必要です。タンパク質を過剰に摂取すると、消化器官への負担になり、腸内環境が乱れるにつながるほか、尿管結石になる危険性もあります。
あと、過剰摂取は単純にカロリーオーバーになることも考えられるので、ダイエット実践者はとくに気をつけましょう。
栄養バランスを意識する
ここまで説明してきたように、タンパク質は摂れば摂るだけよいというものではありません。タンパク質だけに偏った食事は健康を害する危険性があるので、バランスのよい食事を心がけましょう。
バランスのよい食事については「バランスの良い食事とは?栄養・生活スタイル・家計の観点で解説」で詳しく解説しています。
糖質も摂取する
ダイエットをしている方のなかには、糖質を徹底的に避ける方がいますが、筋肉量を維持、向上させるためには適度な糖質の摂取が欠かせません。
なぜなら、体を動かした際にエネルギーとして使われるはずの糖質が不足していると、タンパク質がエネルギー源として使われてしまうからです。また、それでもエネルギーが足りない場合は、筋肉が分解されてしまいます。
筋肉を増やすためにタンパク質を摂っているのに分解されては本末転倒です。糖質は摂り過ぎには注意ですが、適度に摂取するように心掛けましょう。
タンパク質を効率的に摂取したい人におすすめのレシピ
最後に、タンパク質を効率よく摂取できるおすすめレシピを2つ紹介します。
タラとブロッコリーのガーリックソテー
材料(1人分) ・タラ・・・2切れ ・ブロッコリー・・・4分の1個 ・醬油・・・小さじ1杯 ・にんにく・・・1片 ・塩・・・少々 ・コショウ・・・少々 ・薄力粉・・・大さじ1杯 ・オリーブオイル・・・大さじ1杯 |
作り方 ➀ タラ、ブロッコリーを食べやすい大きさにカット ⓶ タラに薄力粉をまぶす ③ ブロッコリーは電子レンジで加熱(500Wで1分30秒程度) ④ にんにくはみじん切りにする ⑤ フライパンにオリーブオイルをひいて、にんにくを炒める ⑥ にんにくの香りが立ったら、タラを入れる ⑦ タラに焼き色が付いたら一旦取り出し、ブロッコリーを炒める ⑧ 最後にタラをもう一度入れ、醬油、塩、コショウで味を整えたら完成 |
高タンパクな魚の代表格タラと、ビタミンB2が豊富なにんにく、ビタミンCが豊富なブロッコリーを合わせた一品。お好みで卵を加えるのもおすすめです。
マグロ納豆
材料(1人分) ・納豆・・・1パック ・マグロ(刺身用)・・・80g ・醬油・・・大さじ1杯 ・みりん・・・小さじ1杯 ・からし・・・適量 ・ネギ・・・適量 |
作り方 ➀ マグロを1㎝角にカットする ② ①をボウルに移して、醬油とみりんを加えて混ぜる ③ ②に納豆を入れて混ぜ合わせる ④ 器に盛り付け、ネギをのせたら完成 |
タンパク質とビタミンB6が豊富なマグロに納豆を合わせた簡単レシピ。副菜として重宝します。
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