体重を減らすために心掛けたいこと~食事・運動から生活習慣全般まで~
ダイエットの主な目的は、「体重を減らすこと」「健康を維持・向上させること」「理想のボディシェイプを実現すること」の3つです。
どれを重要視するかでアプローチは異なりますが、上記の中でも体重を減らすことはダイエットの基本といえます。体重を減らすことが健康の維持・向上や理想のボディシェイプにつながるからです。
そこで今回は体重を減らすために心掛けたいことをテーマに、食事や運動、その他生活全般において実践・意識すべきポイントを解説します。
この記事の監修者
青山Fusion Clinic 院長
聖マリアンナ医科大学医学部を卒業後、東京医科大学病院小児科コース修了後、都立広尾病院で小児科医として従事。出産を機に、都内クリニックや産業医として経験を積む。その後、内科小児科クリニックの院長を経て、2024年2月、内科・皮膚科・美容内科・美容皮膚科専門の『青山Fusion Clinic』を開院。幅広い年代の健康と美に寄り添う。
本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨しているわけではございません。
体重を減らすための基本知識
まず、体重を減らすために最低限押さえておきたい基本知識を解説します。
消費カロリー>摂取カロリーを守る
摂取カロリーが消費カロリーを上回らなければ、体重が増えることはありません。「カロリー収支の法則」とも呼ばれ、体重の増減は摂取エネルギーと消費エネルギーの差によって決まります。
つまり、体重を減らすためには日常の活動量を増やしたり、運動を取り入れたりして消費カロリーを増やすか、食事内容を見直して摂取カロリーを減らすかの2つのアプローチが基本となります。
食事制限と運動を掛け合わせる
体重を減らすという観点だと、食事制限をして摂取カロリーを減らした方が短期間で高い効果を期待できます。しかし、食事制限だけだと筋肉が減り、基礎代謝が下がることでリバウンドしやすくなります。
摂取カロリーを減らすだけでなく、消費カロリーを増やすために運動にも取り組むことでリバウンドを防ぎ、持続的な体重減少が可能となります。
質の良い睡眠をとる
日々の摂取カロリーと消費カロリーに影響を与えるのが睡眠です。睡眠不足はホルモンバランスを乱し、食欲を増加させる要因となるだけでなく、基礎代謝の低下を招きます。
質の良い睡眠をとるためには、睡眠環境を整えたり、寝る前にカフェインを控えたりするなど、日常の意識付けが大切です。
質の良い睡眠については「睡眠の質とは何か? 睡眠チェックシート&改善方法」で詳しく解説しています。
体重を一気に落とし過ぎない
極端な食事制限と過度な運動を続ければ体重を一気に落とすことは可能です。しかし、急激な減量は筋肉量が大幅に減少しやすくなり、基礎代謝が低下します。また、ホルモンバランスの乱れを招き、女性の場合、生理不順やホルモン分泌の異常を招くことがあります。
継続的にダイエットを行うためには無理のないペースで減量することが大事です。1週間に0.5~1kgの減量を目安としましょう。
体重を減らすために心掛けたいこと【食事編】
ここからは、体重を減らすために心掛けたいことを食事、運動、その他生活習慣に分けて解説します。まずは、最も重要といえる食事についてです。
体重を減らすために効果的な食べ物を意識的に食べる
食事において最も大事なのは、体重を減らすために効果的な食べ物を知り、それを日常的に食べることです。
ここでは、体重を減らすために効果的な食べ物の代表例を紹介します。
タンパク質が豊富な食べ物
タンパク質は筋肉を維持し、代謝を高める効果があるため、太りにくく瘦せやすい体づくりのためには欠かせません。
タンパク質が豊富な食べ物としては、以下のようなものが挙げられます。
・鶏胸肉、ささみ:低脂肪で高タンパク ・魚類(サーモン、サバ、ツナなど):n-3系脂肪酸(オメガ3脂肪酸)を含み、脂肪燃焼効果が期待できる ・卵:完全栄養食品で、少量でも満腹感を得やすい ・豆腐、納豆、豆類:植物性タンパク質が豊富で低カロリー ・ヨーグルト:タンパク質が豊富で満腹感を得やすい |
タンパク質が豊富な食べ物については「タンパク質が多い食べ物&吸収効率を高める食べ物」で詳しく解説しています。
低カロリーな食べ物
体重を減らすにはカロリー管理が欠かせません。低カロリーな食べ物を普段の食事に上手く取り入れることが成功のポイントです。
低カロリーな食べ物としては、以下のようなものが挙げられます。
・野菜(ブロッコリー、ほうれん草、キャベツなど):低カロリーで栄養価が高い ・キノコ類(しいたけ、えのき、しめじなど):低カロリーでかさ増しにも最適 ・こんにゃく:低カロリーで腹持ちが良い |
低カロリーな食べ物については「カロリーは低いけど栄養価が高い食べ物〜健康的に瘦せるためのレシピ&食べ方〜」で詳しく解説しています。
食物繊維が豊富な食べ物
食物繊維は消化を遅らせることで満腹感を持続させるほか、腸内環境を整える効果があるため、脂肪の吸収を抑える効果も期待できます。
食物繊維が豊富な食べ物としては、先述した低カロリーな食べ物の例として挙げた野菜やキノコ類のほか、以下のようなものが挙げられます。
・海藻類(わかめ、昆布):ミネラルが豊富で代謝をサポート ・オートミール:腹持ちが良く、朝食に最適 ・全粒穀物(玄米、全粒粉パン):食物繊維が豊富で血糖値の急上昇を防ぐ |
食物繊維が豊富な食べ物は「食物繊維が多い食べ物ランキング!手軽&効率的に摂取する方法とは」で詳しく解説しています。
脂肪燃焼をサポートする食べ物
代謝を促進する成分が含まれている食べ物は、日常の活動や運動による脂肪の燃焼をサポートしてくれます。
脂肪燃焼をサポートする食べ物(飲み物)としては、以下のようなものが挙げられます。
・キムチ:唐辛子に多く含まれるカプサイシンは体温を上昇させ、脂肪燃焼を促進する ・緑茶:緑茶に含まれるカテキンは代謝を高め、脂肪分解を助ける ・コーヒー:カフェインは脂肪燃焼を助け、運動パフォーマンスの向上につながる |
今回紹介した食べ物以外にも、血糖値の上昇を緩やかにして脂肪の蓄積を防ぐ低GIの食べ物(玄米、全粒粉パンなど)や、むくみを解消するカリウムが豊富な食べ物(バナナ、ホウレンソウ)なども体重を減らすために効果的です。ぜひ日常の食事に取り入れてみてください。
GI値については「ダイエットで気を付けたいのは「GI値」よりも「GL値」だった!」で詳しく解説しています。
食べ方を工夫する
体重を減らすためには、「何を食べるか」だけでなく、「どう食べるか」も重要となります。
以下のようなことを意識するとよいでしょう。
① ゆっくりよく噛む:満腹感が増し、食べ過ぎを防ぐ ② 野菜から食べる:野菜→タンパク質(肉や魚)→炭水化物の順に食べると血糖値の急上昇を抑えられる ③ 器を工夫する:食べる量を視覚的にコントロールする。小さめの器を使うと満足感が得られやすくなる ④ 水分を摂りながら食べる:水分を取り入れることで胃が膨らみ、満腹感を得やすくなる |
食事中に水分を摂ることは大事ですが、甘い飲み物やお酒はカロリーが高く、血糖値の急上昇や脂肪の蓄積を引き起こす可能性があるため控えましょう。
食習慣を整える
冒頭でも説明したように、体重を減らすには長期的なスパンで計画することが大切です。一時的なカロリー制限ではなく、習慣としてバランスの取れた食生活を心掛けましょう。
食習慣とは食べ物の内容だけでなく、先述した食べ方、そして食べる時間も含まれます。たとえば、規則正しい食事時間を守ることは血糖値の安定につながり、空腹による暴飲暴食を防ぐことができます。
とくに仕事などで夜ご飯が遅くなりがちな場合は、夕方などに間食を摂るのがおすすめです。間食を摂ることで、食事と食事の間が空きすぎるのを防ぎ、血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。
ただし、間食は何でもよいわけではなく、フルーツやナッツなど、栄養価の高いものを選ぶようにしましょう。
体重を減らすために心掛けたいこと【運動編】
続いて、体重を減らすための運動において意識したいポイントを解説します。
有酸素運動と筋トレを組み合わせる
運動を始める際は、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動のみを行う方が多いですが、筋トレも行うことで、短期的な脂肪燃焼と長期的な代謝向上の両方が期待できます。とくに、有酸素運動の前に筋トレを行うことで脂肪燃焼の効果が高まることが知られています。
有酸素運動と筋トレには、それぞれ以下のようなメニューがあるので、自分の目的や好みに応じて取り入れてみましょう。
【有酸素運動メニュー】 ・ウォーキング: 初心者にも取り組みやすく、膝や関節への負担が少ない ・ジョギング: 脂肪燃焼効果が高く、ペースを調整することで負荷を変えられる ・サイクリング: 下半身を中心に鍛えながら、心肺機能を向上させる ・水泳: カロリー消費が多く、関節に優しい 【筋トレメニュー】 ・スクワット: 大腿四頭筋やハムストリングスを鍛えられる ・プランク: 体幹を鍛えられ、姿勢改善や腰痛予防にも効果的 ・腕立て伏せ: 胸や腕、肩の筋肉を鍛えられる ・腹筋: お腹周りを引き締めるのに効果的 ・ダンベルを使ったトレーニング: 上半身の筋力向上やバランス強化に最適 |
無理のないペースで始める
急激な負荷は怪我や疲労の原因となります。そのため、運動は自分の体力や健康状態に合わせて無理なく取り組むことが大切です。
はじめのうちは、週に3~5日、1日30~60分を目安に無理のない範囲で始めましょう。運動に慣れてきたら、徐々に強度や時間を増やしていきましょう。
運動メニューのバリエーションを増やす
同じ運動を続けると飽きやマンネリ化につながります。先述した有酸素運動や筋トレメニューのほかに、ゴルフやテニス、ボウリングなど趣味として楽しめる運動もローテーションに取り入れることが大切です。
運動メニューにバリエーションを持たせることで、飽き防止になるだけでなく、全身の筋肉をまんべんなく使うことができ、脂肪燃焼の効率も高める効果を期待できます。
日常の活動量を増やす
日々の運動はもちろんのこと、日常生活において消費するエネルギーを増やす工夫も大事です。
エレベーターではなく階段を使う、バス停や駅を1つ手前で降りて歩く、買い物で遠回りをする、立ち仕事を増やすなど日常のちょっとした工夫が運動量を増やし、エネルギー消費量を高めることにつながります。できることから一つずつ始めてみましょう。
体重を減らすために心掛けたいこと【その他】
最後に、食事と運動以外の日常生活において体重を減らすために心掛けたいことを解説します。
質の良い睡眠を確保する
先述した通り、睡眠の質は体重の増減に影響を与えます。1日7~8時間の睡眠が理想であり、そのためには生活リズムを整えることが何よりも重要です。
休日の朝もできるだけいつもと同じ時間に起き、スムーズな入眠のために夜遅い食事は避け、就寝する2~3時間前までには消化を済ませるようにしましょう。また、就寝前にはスマートフォンの使用を避け、照明を少し暗くして、リラックスできる環境を整えましょう。
ストレスを溜めない
ストレスは、ホルモンバランスの乱れや過食、代謝の低下を招きます。
ストレスを溜めないためには、趣味を楽しんだり、ジョギングやストレッチなどの軽い運動をしたりして、心と体をリフレッシュする時間を確保することが大事です。また、瞑想やマインドフルネス、深呼吸など、心を落ち着ける行動を習慣にするのもよいでしょう。
ストレス解消法には一つの正解があるわけではないので、自分なりのリフレッシュ方法を見つけましょう。
水分補給を忘れない
体内の水分量は代謝に影響を与えます。適切な水分摂取は代謝を活発にし、脂肪燃焼を促進しますが、体内の水分が不足すると代謝が低下し、脂肪燃焼効率が落ちる原因となります。
日常的な水分補給はもちろんのこと、食事前に水を飲むことは満足感を感じやすくなり、食べ過ぎの防止にもつながります。
1日あたり1.5~2リットルを目安に、水分をしっかりと摂取することを心掛けましょう。
姿勢をよくする
正しい姿勢は筋肉を適度に使うため、エネルギー消費を増やすことにつながります。正しい姿勢を維持・習得するためには、先述した筋トレメニューのプランクなどの体幹を鍛えるトレーニングが効果的です。
プランクのやり方については、「ぽっこりお腹を解消する筋トレ&ストレッチ~おすすめの食事メニューも紹介~」で詳しく解説しています。
また、デスクワークの方は長時間座りっぱなしになりがちで姿勢が悪化しやすいので、1時間ごとに立ち上がったり、軽くストレッチをしたりするなど、体を動かす習慣を取り入れるようにしましょう。
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