食事制限をしても瘦せない理由&対処法~間違った情報に騙されないために~
「食事制限をしているのに思うように瘦せない」「最初は順調だったけど、そこからは一向に体重が落ちない」という悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
実は、ただ食事量を減らすだけのダイエットは“逆効果”になる可能性があります。
そこで今回は食事制限をしても体重が落ちない理由と具体的な対処法について解説します。間違ったダイエット情報に騙されないためのポイントも紹介しているので、健康的かつ確実にダイエットを成功させたい方がぜひ参考にしてください。
この記事の監修者
中島 由美
Crystal 医科歯科 Clinic International 内科院
金沢医科大学医学部卒。金沢医科大学病院にて小児科・内科専攻。日本各地の病院で内科、皮膚科を担当。美容クリニック院長を経て、2018年8月にCrystal 医科歯科 Clinic International 内に内科、美容皮膚科、アレルギー科を開設。現在内科院長として、テレビやラジオ出演、Webメディアの記事編集を行っている。
本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨しているわけではございません。
食事制限をしても瘦せない理由
まずは、なぜ食事制限をしても瘦せないのか、その理由についてみてきましょう。
基礎代謝が落ちている
食事量を急激に減らすと、体は“省エネモード”、すなわちエネルギー消費を抑えた状態に入り、基礎代謝が低下します。
この現象は「メタボリックアダプテーション(代謝適応)」と呼ばれ、体重が落ちにくくなる原因の一つです。食事制限を行うと最初のうちは順調に体重が落ちるものの、一定期間を過ぎると体重が落ちにくくなるのはそのためです。
また、極端な食事制限は、脂肪だけでなく基礎代謝に関わる筋肉の減少も招くため、太りやすく痩せにくい状態が維持されてしまいます。
ダイエットの停滞期を打破する方法については「ダイエット中の停滞期はなぜ起こる?考えられる原因と対策方法を紹介」で詳しく解説しています。
日常活動も低下している
食事制限ダイエット中は基礎代謝だけでなく、日常活動による消費カロリーも低下しやすくなります。というのも、食事制限によって体力や気力が落ちると、日常生活における「ちょっとした動き」が減少するからです。
例えば、仕事中に立ち上がる回数が減る、階段を使わなくなる、外出が面倒になるといったことが挙げられます。これらは「ちょっとした動き」であっても日々の消費カロリーの多くの部分を占めるため、先述した基礎代謝と合わせると全体の消費カロリーは大幅に下がってしまいます。
「以前より動くのが面倒になった」「すぐに座りたくなる」といったという方は注意が必要です。1時間に1回は席を立つなど、意識的にこまめに動くことを心掛けましょう。
栄養バランスが崩れている
「カロリーを減らしてさえいればいい」という考えだと、瘦せるために必要な栄養素まで不足しがちになります。
例えば、ビタミンやミネラル、タンパク質などの摂取が少なくなると、体内の代謝プロセスがうまく働かずに太りやすい体になってしまいます。また、炭水化物の摂取を控えすぎると甲状腺ホルモンの分泌が低下し、基礎代謝が落ちる可能性があります。
「摂取カロリーが少ない=痩せる」というのは短絡的な考えです。適度なカロリー制限とともに、バランスの取れた栄養摂取を心掛けることで、効率的な代謝を維持し、健康的に痩せることができます。
睡眠不足
食事を極端に制限すると、空腹感が強くなって寝つきが悪くなることが少なくありません。その結果、睡眠時間が短くなり、睡眠の質自体も低下します。
睡眠不足が続くと、体内のホルモンバランスが乱れ、満腹感を伝えるレプチンの分泌が低下し、逆に空腹感を感じさせるグレリンの分泌が増加してしまいます。こうしたホルモンの変化は、過食のリスクを高めるだけでなく、睡眠の質低下によって成長ホルモンの分泌も減少し、代謝の低下を招く可能性もあるのです。
普段の食事が睡眠はもちろん、生活習慣全体にまで影響を及ぼすことを心得ておきましょう。
ストレス過多
厳しい食事制限は心理的に大きなストレスになります。ストレスを溜め込むと、体内では脂肪の蓄積を促進する働きもあるストレスホルモン「コルチゾール」の分泌が促進され、脂肪が増えやすくなる傾向があります。つまり、ストレス状態が続くと、体は「エネルギー不足に備えて脂肪を蓄える」という生理的な反応が起こるのです。
また、食事制限が続くと空腹感が増し、食事の満足感が得られなくなるため、後に過食や暴飲暴食に走るリスクも高まります。
摂取カロリーを把握できていない
実は、食事量を減らしているつもりでも、実際は必要カロリー以上に摂取していることが少なくありません。食べ物のカロリーは気を付けていても、ジュースやアルコールなどの飲み物や調味料に含まれる糖質やカロリーを見落としているケースです。
また、普段はカロリーを抑えていても週末や夜中にドカ食いするなど、一気にカロリーオーバーしている方も少なくないので注意しましょう。
病気の可能性も
思うように瘦せない場合、何らかの疾患が原因である可能性も考えられます。例えば、甲状腺機能低下症やPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)などの内分泌疾患は、代謝の低下やホルモンバランスの乱れを引き起こし、ダイエットの効果を妨げる要因となります。
むくみ・疲労感・寒がりなど、甲状腺の不調が疑われる症状がある場合は専門医への受診を検討しましょう。また、生理不順や肌荒れ、抜け毛などが続く場合も同様に専門医の診断を受けることをおすすめします。
食事制限をしても瘦せないときの対処法
続いて、食事制限を瘦せない場合の対処法について解説します。
1日に必要なカロリーを再確認する
食事制限をしても瘦せない場合、そもそものカロリー設定が間違っている可能性があります。改めて、1日に必要カロリーを算出し、適切な食事量を正確に把握しましょう。
成人男性・女性の1日の必要摂取カロリーは以下の通りです。
男性 |
女性 |
|
18~29(歳) |
2,650kcal |
2,000kcal |
30~49(歳) |
2,700kcal |
2,050kcal |
50~64(歳) |
2,600kcal |
1,950kcal |
65~74(歳) |
2,400kcal |
1,850kcal |
75以上(歳) |
2,100kcal |
1,650kcal |
※参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
上記は身体活動レベルが「ふつう」の場合の数値です。平均よりも活動量が多い方は、消費するエネルギーが増加するため、さらに高いカロリー摂取が必要となります。また必要カロリーは個々の体格によっても変動しますので、目安として考えてください。
プチ断食を取り入れる
体重の低下が停滞したときは、「プチ断食」を一時的に取り入れるのも選択肢の一つです。プチ断食とは、一定の期間、固形物を食べないことで体重減少だけでなく、消化器官の休息を得るためのダイエット法であり、その期間は半日や1日、2日間など様々です。
ダイエットの停滞期にプチ断食を取り入れるメリットとしては、消化器官に一定の休息を与えることで内臓の機能が正常になり、体内の代謝バランスが整いやすくなることが挙げられます。また、一定期間固形物を摂取しないことで、体内の老廃物の排出が促進され、デトックス効果が期待できます。
ただし、プチ断食は間違ったやり方で行うと逆効果なのでその点は注意しましょう。
プチ断食の方法については「プチ断食中に食べていいもの&おすすめメニュー~空腹を紛らわせる方法も紹介~」で詳しく解説しています。
チートデイを設ける
チートデイを設けることもダイエットの停滞期を打破する方法の一つです。チートデイとは「1日だけ食事制限を解除する日」であり、基本的には好きなものを好きなだけ食べても構いません。
先述したように、食事制限を続けていると体はエネルギー不足状態に陥り、代謝が低下する「メタボリックアダプテーション」が起こりやすくなります。チートデイを取り入れることで、体に一時的に体にエネルギーを補給し、ホルモンバランス(とくに満腹ホルモンであるレプチンの分泌など)や代謝を正常な状態に戻す効果を期待できます。
ただし、チートデイは計画的に行う必要があります。過度な暴飲暴食をしてしまうと、1日のカロリーオーバーが週全体のカロリー収支を大きく狂わせ、逆に体重増加につながるリスクも伴うからです。
チートデイの正しい取り入れ方については「チートデイの正しい周期とは? 計画的にダイエットするためのポイント」で詳しく解説しています。
栄養バランスを整える
食事制限中であっても、バランスの良い食事を心がけることは非常に重要です。
タンパク質は体重1kgあたり1〜1.5gを目安に摂取すること、脂質は青魚やアボカド、ナッツ、オリーブオイルなどから良質なものを適度に摂取することを意識しましょう。炭水化物に関しては過度な糖質カットは避け、野菜や果物、未精製の穀物(玄米・全粒粉など)から適度に摂るのが理想です。
栄養バランスの良い食事については「バランスの良い食事とは?栄養・生活スタイル・家計の観点で解説」で詳しく解説しています。
食事内容を記録する
先述したように、食事制限をしているつもりでも「意外とカロリーを摂取していた」というケースは少なくありません。そのため、食事内容は記録しておくことをおすすめします。
スマホアプリやノートで1日の食事内容を詳細に記録することで、摂取カロリーだけでなく、栄養バランスも把握することができます。
長期的な視点を持つ
食事制限をしても瘦せないからといって、無理なダイエットに舵を切るのは賢明ではありません。ダイエットにおいて停滞期がくることは自然なことであり、長期的な視点でみると必要な時期であると捉えることもできます。
とくに体重ばかり気にして、体脂肪率など他の重要な指標を疎かにすると、体に過度なストレスを与え、リバウンドや健康障害のリスクを高める可能性があります。
ダイエットはうまくいかないこと、途中で伸び悩む時期があることなども考慮して、短期・中期・長期で目標を設定しましょう。
質の良い睡眠をとる
先述したように、食事制限をしても瘦せない理由は食事内容ではなく、生活習慣に問題があることも多く、とくに日々の睡眠は大きな影響を与えます。
睡眠は、1日6~8時間程度確保することが理想です。質の良い睡眠を取るためには、毎日同じ時間に起床する、就寝前はスマホやPCのブルーライトを控えるなど、生活リズムやルーティンを確立することが大切です。
質の良い睡眠については「睡眠の質とは何か? 睡眠チェックシート&改善方法」で詳しく解説しています。
ストレスを緩和する
食事制限で体重が思うように減らない原因がストレスにあると考えられる場合、その対策が必要です。
ストレスを緩和するための方法としては、マインドフルネスや軽い運動(ヨガやストレッチ)が挙げられます。ストレスの解消法は人それぞれなので、自分に合ったものを見つけましょう。
また、必要であれば専門家(睡眠外来、カウンセラー等)に相談し、根本的なストレス源を特定し、解消しましょう。
運動をアップデートする
毎日の運動メニューがずっと同じで停滞している場合は、運動の回数や種目を変更し、アップデートしましょう。
例えば、週1〜2回の筋トレでは十分な刺激が得られない場合はその頻度を増やすか、普段鍛えられていない部位をターゲットにしたメニューを追加するなど、メニューを多様化してみましょう。
以上が食事制限をしても瘦せない場合の対処法です。
正しい食事制限ダイエットの方法については「正しい食事制限ダイエットのやり方!リバウンド回避する8つのポイント」でも詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。
間違ったダイエット情報に騙されないために
現代はインターネットやSNS上にダイエット情報が氾濫しているため、間違った情報に踊らされてしまうケースが少なくありません。「食事制限をしても瘦せない」という方の中にも、間違った方法を実践してしまっていた方も少なくないでしょう。
ここでは、間違ったダイエット情報に騙されないためのポイントを解説します。
情報源を確認する
ダイエットに関する情報に触れる際は、専門家や学術的根拠のある情報源を参照する習慣をつけましょう。
例えば、厚生労働省や世界保健機関(WHO)などの公的機関が発信するガイドラインや情報は、信頼性が非常に高いです。
また、PubMedやGoogle Scholarなどで学術論文を調べ、エビデンスが存在するかを確認することもおすすめです。すべての論文を詳細に読む必要はありませんが、タイトルや要旨(アブストラクト)を確認して、研究結果と結論が一致しているかどうかをチェックすることで、正確な情報かどうかの判断材料になります。
極端な表現や誇大広告に注意する
「これだけ食べれば○kg痩せる」「たった3日で○○kg減」といった、一見魅力的でも現実的でない数字を謳っている広告には要注意です。かりに本当だとしても、急激に痩せる方法は健康リスクを伴う可能性が高いため、おすすめできません。
広告を鵜吞みにせず、多くの情報の中から自分の体質や生活スタイルに合う方法を冷静に見極めることが、健康的なダイエットへの近道です。
SNSの成功体験談は冷静に客観視する
SNS上で見かけるダイエットの成功体験談は、必ずしもそのまま万人に当てはまるとは限りません。ダイエットは個々の体質やライフスタイルに大きく左右されるため、それらの成功体験はあくまで一例に過ぎません。
また、なかにはステルスマーケティングや広告目的で投稿されたものも存在するため、同じ内容の投稿が多かったり、特定の商品やサービスが過剰に推奨されていたりする場合は、広告目的の投稿かもしれないので注意しましょう。
小さく試す
新しいダイエット情報を見つけたら、いきなり全てを信じるのではなく、まずは短期間で試してみることをおすすめします。実際に試してみて、自分の体の反応や変化を観察し、体重や体調にどのような影響があるかを記録しましょう。その記録をもとに、自分に合った方法かどうかを判断してください。
食事制限ダイエットの味方
食事制限ダイエットでは、カロリーや栄養バランスを意識した食事管理が欠かせませんが、長期間続けることの心理的負担は大きく、ストレスにつながることも少なくありません。
そのため、ときには「チートデイ」を取り入れるなど、自由に食事をすることも大事ですが、ダイエット中ゆえにどうしても罪悪感を持ってしまう方は多いでしょう。
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