爪がボロボロになるのはなぜ?4つのタイプに分けて考える原因と対処法

爪が割れる、欠ける、ガサガサする。爪がボロボロになる症状はさまざまであり、その原因もひとつではありません。

爪は体調や生活習慣の影響を受けやすい部位であり、見た目の変化だけで判断して間違ったケアを続けるとかえって状態を悪化させてしまいます。

そこで今回は、爪がボロボロになる原因と対処法を症状別に4つのタイプに分けて解説します。

この記事の監修者

稲葉 岳也
いなばクリニック 医院長

東京慈恵会医科大学卒業後、千葉大学大学院にて医学博士を取得。東京慈恵会医科大学附属病院、聖路加国際病院を経て、2004年にいなばクリニックを開業。皮膚科・形成外科領域のレーザー治療およびアレルギー疾患の総合的治療を専門としている。

本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨しているわけではございません。

 

爪がボロボロになっている状態とは

爪がボロボロと感じる状態には個人差があり、その症状もさまざまです。一般的には、爪に割れや欠け、表面の荒れ、変形、色の変化などが起きている状態、もしくはそれらが複数重なっているような状態のことを指します。

この記事でも、爪の見た目・質感・強度・色などに異変が見られ、総合的にダメージが進行している状態を「爪がボロボロになっている状態」と定義します。

爪がボロボロかどうかのチェック項目

まずは、今の爪の状態を確認してみましょう。以下の項目のうち、該当するものにチェックを入れてください。

 

【見た目・形】

☑ 爪が割れている、欠けている

☑ 二枚爪になっている

☑ 爪が反り返っている、うねっている

☑ 爪の厚みが部分的に不均一になっている

【表面・質感】

☑ 表面がガサガサしてツヤがない

☑ 縦筋・横筋が目立つ

☑ 触ると引っかかる感じがある

【色】

☑ 白っぽく濁って見える

☑ 黄色・茶色っぽくくすんでいる

☑ 健康的なピンク色が失われている

【強度・成長】

☑ 爪が薄く、柔らかい

☑ 伸ばそうとするとすぐ傷む

☑ 爪が以前より伸びにくいと感じる

チェック結果から分かる「ボロボロタイプ」

当てはまった項目から、自分の「ボロボロタイプ」を確認してみてください。

  1. 【見た目・形】の項目にチェックが付いた ⇒ 構造ダメージ型
  2. 【表面・質感】の項目にチェックが付いた ⇒ ガサガサ型
  3. 【色】の項目にチェックが付いた ⇒ 変色型
  4. 【強度・成長】の項目にチェックが付いた ⇒ 弱体化型

上記のようにタイプ分けができるものの、実際は構造ダメージ型とガサガサ型のように複数のタイプに該当する方も多いでしょう。その場合はより多くのチェックが付いた方をメイン、少なかった方をサブのタイプと考えてください。

また、チェック数が多いほど爪のダメージは進行している可能性が高く、場合によって医療機関の受診も検討した方がいいでしょう。

チェック結果の目安から進行度の目安は以下の通りです。

【ダメージ進行度の目安】

  •  1項目のみ該当:初期段階
  • 1タイプだが複数項目に該当:中期段階
  • 2タイプ以上:ダメージが進行している可能性あり
  • 3タイプ以上:重症化している可能性もあり、医療機関の受診を検討すべき

この記事では、この4つのタイプごとに原因や対処法について解説します。

爪がボロボロになる原因

ここでは、先ほど確認した4つのタイプごとに爪がボロボロになる原因を紹介します。

構造ダメージ型

構造ダメージ型は、爪の層構造そのものが傷ついている状態です。爪は一枚の板のように見えますが、実際にはミルフィーユ状の層構造をしています。この層が傷つくと、割れや欠け、二枚爪といったトラブルが起きやすくなります。

爪の層構造そのものが傷ついてしまう主な原因としては、以下のようなものが挙げられます

  • 深爪や角を落としすぎるような爪の切り方
  • 爪やすり(ファイル)の使いすぎ
  • 物理的衝撃
  • ジェルネイルの繰り返しによる層の損傷

 

一度壊れた層構造は根元から伸び替わるまで回復しません。そのため、ダメージを与え続けると、ケアしても治らない状況が続いてしまいます。

ガサガサ型

ガサガサ型は、爪表面の水分・油分が慢性的に不足している状態です。爪は適度なうるおいが保たれていることで、しなやかさやツヤを維持していますが、乾燥が続くと表面が荒れ、ガサガサした質感になってしまいます。見た目が悪くなるだけでなく、爪の柔軟性が失われ、外部からの刺激を受けやすくなるのがこのタイプの厄介のポイントです。

ガサガサ型の主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 頻繫な手洗いや水仕事
  • アルコール消毒の多用
  • 空気の乾燥(季節・空調など)
  • 爪や指先の保湿不足

 

乾燥した爪は、小さな衝撃でも割れや欠けにつながりやすく、その状態が続くと構造ダメージ型へ進行することもあります。表面を削ってツヤを出そうとする方もいますが、症状を悪化させるだけなのでやめましょう。

変色型

変色型は、爪の内側のコンディションの変化が色として現れている状態です。健康な爪は血色のよいピンク色をしていますが、血流や栄養状態が乱れると、色に変化が出やすくなります。

外見上の変化だけを見ると軽いトラブルに感じるかもしれませんが、体の状態を反映しているサインとして捉えることが大事です。

変色型の主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 血行不良(冷え・運動不足など)
  • 栄養不足(鉄分・亜鉛・タンパク質など)
  • 睡眠不足や慢性的な疲労
  • ネイルや着色料による影響
  • 爪白癬などの皮膚・爪のトラブル

 

変色をそのまま放置してしまうと、爪の質そのものが弱くなり、弱体化型や構造ダメージ型へ進行する可能性もあります。

弱体化型

弱体化型は、爪を作る力・回復する力そのものが低下している状態です。割れや欠けといった目立つトラブルがなくても、「薄い」「柔らかい」「伸びにくい」と感じる場合は、このタイプに該当します。

弱体化型の主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 栄養不足
  • 過度なダイエット
  • 加齢による爪の成長低下
  • 睡眠不足やストレス
  • 血行不良による成長環境の悪化

 

このタイプは、表面的なケアだけでは改善しにくく、生活習慣や体の内側からの見直しが必要になります。

原因は複数だからケアが難しい

先述したように、爪がボロボロになっている方は「構造ダメージ型×ガサガサ型」「変色型×弱体化型」といったように、複数のタイプが重なっているケースが多いです。

乾燥によって爪がもろくなり(ガサガサ型)、そこに物理的な刺激が加わることで割れや欠けが起きる(構造ダメージ型)、さらに栄養不足が続くことで回復が追いつかない(弱体化型)というように、原因と結果が連鎖するケースが珍しくありません。

複数タイプの場合は「とにかく保湿する」といった特定のケアだけでは改善しにくく、状態に合わないケアを続けると、かえってダメージを長引かせてしまうこともあります。

そのため、爪がボロボロなときは、まず「どこでダメージが起きているのか」「何から止めるべきか」を整理することが大事です。

爪がボロボロになったときの正しいケア

爪がボロボロな状態を改善するためには、状態に合ったケアを正しい順番で行うことが重要です。先述したように、爪のダメージは複数の要因が重なって起きているケースが多く、順番を間違えると、十分にケアしているつもりでも改善を感じにくくなります。

ここでは、4つのタイプごとにケアの基本方針と具体的なケア・避けたいNG行動を解説します。

構造ダメージ型

構造ダメージ型の場合、最も重要なのはこれ以上ダメージを与えないことです。すでに爪の層構造が傷ついているため、悪化させずに伸び替わるのを待つのが基本方針となります。

具体的なケア方法としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 爪は短めに整え、引っかかりを減らす
  • 爪切りだけではなく、やすり(ファイル)も使って整える
  • 二枚爪や欠けを無理に剥がさない

 

爪の形は「スクエアオフ」と呼ばれる形状がおすすめです。四角い形をベースにしつつ、爪先の角だけをわずかに丸めた形状で、爪への負担が少なく、割れや欠けを防ぎやすいという特徴があります。

スクエアオフにカットする方法は以下の通りです。

一方で、以下のようなケアはダメージを長引かせる原因になるので避けましょう。

  • 二枚爪や欠けを無理に剥がす
  • 深爪や角を落としすぎる
  • 補修目的でジェルや硬化剤を頻繁に使う

 

繰り返しになりますが、一度壊れた層構造は根元から生え替わるまで回復しません。補修するよりも、守りながら伸ばす意識を持ちましょう。

正しい爪のケア方法については「【医師監修】正しい爪のケア方法〜健康的で美しい爪の条件とは?〜」で詳しく解説しています。

ガサガサ型

ガサガサ型の場合、最も重要なのは乾燥させないことです。爪の表面が乾燥すると、ツヤが失われるだけでなく、柔軟性が低下し、刺激に弱い状態になります。

具体的なケア方法としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 手洗いや水仕事のあとに、必ず爪まわりを保湿する
  • ネイルオイルやクリームを、爪と甘皮まわりになじませる
  • 水仕事が多い場合は、ゴム手袋や綿手袋を活用する

 

とくに、爪の表面だけでなく、甘皮まわり(爪の生え際)まで保湿することを意識してください。

一方で、以下のようなケアは乾燥を悪化させる原因になるため避けましょう。

  • 表面を削ってツヤを出そうとする
  • アルコール消毒後、そのまま放置する
  • 保湿をせずに、ネイルやマニキュアで隠す
  • ハンドクリームだけで済ませてしまう

 

ガサガサ型は放置すると、他のダメージタイプに移行するため、とにかく早めにケアしましょう。

変色型

変色型の場合、意識したいのは外側だけで判断しないことです。爪の色の変化は、体の内側の状態が反映されていることが多く、見た目だけを整えても根本的な改善にはなりません。外側のケアと内側の見直しを並行して行うことが基本方針となります。

具体的なケア方法としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 冷え対策や軽い運動で血行を促す
  • タンパク質・鉄分・亜鉛などを意識した食事を心がける
  • ネイルや着色料の使用を一度控え、爪の色を観察する

 

内側のケアにおいて、とくに重要なのは食事です。タンパク質をはじめ、以下のような栄養素を意識的に取ることをおすすめします。

一方で、変色型は以下のようなケアは避けましょう。

  • マニキュアやジェルで色を隠し続ける
  • 着色汚れを落とそうとして強くこする
  • ケア用品を短期間でコロコロ変える

 

爪の色は数日で大きく変わるものではありません。一定期間、変化を見ながらケアを続けることが重要です。長期間でも改善しない場合は、皮膚科など医療機関への相談も検討してください。

爪の成長に必要な栄養素については「爪が割れるのは栄養不足が原因!?必要な栄養素とおすすめレシピを紹介」で詳しく解説しています。

弱体化型

弱体化型の場合、最も大切なのは回復力を高めることです。表面的なトラブルが少なくても、爪を作る力そのものが低下している可能性があります。

そのため、弱体化型は時間がかかることを前提に、生活習慣を整えることが基本方針となります。

具体的なケア方法としては、以下のようなものが挙げられます。

  • タンパク質やミネラルを意識した食事を心がける
  • 十分な睡眠時間を確保する
  • 過度なダイエットを控える
  • 爪に強い刺激を与えない生活を意識する

 

爪の成長や修復に関わるホルモンは、主に睡眠中に分泌されることが知られています。しっかり眠ることも、立派な爪のケアの一つと考えてください。

一方で、以下のようなケアは避けましょう。

  • 即効性を求めて、強い補修剤を多用する
  • 短期間で結果が出ないとケアをやめてしまう

 

弱体化型も変色型と同様に、数週間〜数か月単位で変化を見ていく必要があります。焦らず、継続することを意識しましょう。

睡眠の質を高める方法については、「睡眠の質とは何か? 睡眠チェックシート&改善方法」で詳しく解説しています。

複数タイプに当てはまる場合

複数のタイプに当てはまる場合は、優先順位を付けてケアしましょう。

基本的な優先順位は、以下の通りです。

  1. 構造ダメージ型(これ以上壊さない)
  2. ガサガサ型(乾燥・摩耗を防ぐ)
  3. 変色型(内側・外側の環境を整える)
  4. 弱体化型(回復力を底上げする)

 

まずは、これ以上悪化させないことを最優先に、食事や睡眠などの内側のケアも並行して行いましょう。

よくある質問

最後に、爪がボロボロになっている方のよくある質問にお答えします。

爪がボロボロでもネイルしていいですか?

A. 基本的におすすめできません。

ジェルネイルやマニキュアで一時的に隠すことはできますが、その間も爪のダメージ自体が改善されるわけではなく、むしろオフ時の負担などによって、構造ダメージや乾燥を悪化させてしまうケースがあります。

どうしてもネイルをしたい場合は、オフ時の刺激が少ないネイルポリッシュやアセトンフリなど低刺激タイプのリムーバーを選ぶようにしましょう。

足の爪も同じケアでいいですか?

A. 基本的には手の爪と同じです。

ただし、足の爪は靴による圧迫や靴下による蒸れなど環境の影響を受けやすいため、サイズの合った靴を選ぶ、通気性を意識するなどといったことも大事です。

足の爪のケアについては「足の爪ケア基本ガイド〜手との違い・主なトラブル・正しい切り方〜」で詳しく解説しています。

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